石原都知事「東京ドーム競輪」宣言
石原慎太郎東京都知事(70)が24日開会した定例議会の所信表明演説で、東京ドーム(文京区)で競輪再開の準備を進めることを宣言した。都ではプロジェクトチームを立ち上げ、73年に廃止された後楽園競輪の復活へ本格始動するが、地元文京区の煙山力区長(64)が緊急会見を開き「絶対反対。自分が言えば、地元は屈服すると思っているのか」などと全面対決姿勢。断念したカジノ構想に続く石原流ビッグプロジェクトだが、またもひと騒動ありそうだ。
「若者や女性も楽しめる斬新でスマートな競輪を目指し、賭け事という古いイメージを打ち破りたい」。石原知事は所信表明演説でこうぶち上げ、東京ドーム競輪実現への意欲を前面に打ち出した。「経済波及効果や雇用創出効果、歳入確保を見込んでいる」とし、新たな財源として、大きな期待を寄せていることがうかがえた。
具体的なプランは未定だが、プロジェクトチームを立ち上げ、約1年をかけて競輪復活の可能性を調査するという。収益は、主に観光政策や島民の避難生活が長引いている三宅島の復興資金に充てる考えだ。
これまでも、うわさはあったものの、突然の公式発言に、関係各所は対応に追われた。都の知事本部広報は「発言は今日初めて聞きました」と話す。東京ドームは88年の開業時に、グラウンド下に組み立て式の1周400メートルのバンクを設置、格納。自転車関連イベントなどに使用してきた。しかし、同広報課も「まだお話をいただいていないので、発言できる立場ではない」と驚きを隠さなかった。
カジノ構想を断念したばかりだけに、石原氏の演説には実現への強い決意がうかがえたが、ことはそう簡単にいきそうもない。これまでも、度々ギャンブル関連施設の増加に反対を表明していた文京区の煙山氏がすかさずかみついた。知事演説の数時間後に緊急会見を開き「『ぜひやらせてほしい』という話もなく、知事は一体何を言っているのか。自分が言えば地元が屈服すると思っている。そうはいかない。知事は安易に考えている」と怒りを隠さなかった。今後「撤回を促したい」と早期の面会を求めるという。
後楽園競輪は73年、当時の美濃部亮吉都知事が「ギャンブルの収益は使わない」として休止された。跡地の東京ドームが完成した直後にも、競輪復活の声が浮上したが、当時も文京区民の反対で実現しなかった経緯もある。
石原氏の“目玉企画”は再び前途多難だ。
(2003.6.25 日刊スポーツ)
【TOM記す】
おお!ついに公式のオコトバとして出てまいりましたか。当然大大大歓迎であります。調査のためのプロジェクトチームとやらにも興味アリ。民間の立場としてなんとかコンタクトを取ってみたいと思いますな。
唯一引っかかるのが「若者や女性も楽しめる斬新でスマートな競輪を目指し、賭け事という古いイメージを打ち破りたい」というくだり。バクチはバクチなんだから…と、毎度のコメントが出てしまう私ですが、まぁ、慎太郎氏のことだから「とりあえずクリーンイメージでいっといて」という策略もあるのかも。
都内300万(憶測)バクチ打ちの間では、後楽園競輪を廃止した故・美濃部「学者」知事への怨念はいまだ根強く、一刻も早いメッカ復活を望んでいるのであります。昔年の後楽園の熱気を知っている世代が生きているうちに復活させれば、休止の30年間の歴史は埋まるでしょう。
「大ばくち」では、ドーム競輪の近年中の復活を確信し、その運営方法・広告戦略等について提言していきたいと思います。