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#007 新年運試し・埼玉3場チャレンジ20キロ 〜大宮競輪・浦和競馬・戸田競艇〜(2006.1.17)

 2006年1月6日。本日は戸田に向かう予定を変更して浅草から東武線に乗車。まず記念をやっている大宮競輪に向かい、名物のラーメン喰ってちょっと勝負して浦和競馬へ。このところの南関東競馬リーディングジョッキー・内田博幸との相性の悪さ(買えば来ない、買わないと来るで…ったくもう)をなんとか克服するべく枠で総流しして取って、最後は戸田に移って3連単流し勝負、という予定。わー、久々だな、こういう「チャレンジ2万キロ」(古っ)みたいなの。とにかく最近の懸案である『冬の間に一度は大宮のラーメン』『リーディングジョッキーとの関係修復』『3連単流し券理論の構築』を一日で一挙に済ませてしまおうというリッチ(?)な企画。これで川口オートが開催していれば「一日で三競オート全打ち」となるのだが。惜しい。  

 大宮2Rに間に合うよう浅草発10:20の快速電車に乗る予定が、早朝の人身事故の影響でダイヤは乱れまくり。ほぼ同時刻に出た一段階遅い準急に乗車。無事戸田までたどり着けるだろうか?

 しかし予想より早く、約20分遅れ、3R締切7分前に競輪場に到着。久々の大宮。なにせ夏のナイターをやっていないので、どうしても足が遠のいてしまうのだ。しかし、元々自分的には大好きな競輪場。500バンク特有の直線でのマギレが好配当を演出しがち。まず3レースを購入。逃げイチ(先行一車)の3番から枠で番手の5(4枠)、そして別線の5枠へ2点。そしてここでも3連単試し買い。別線で脚力上位の2へ流す3−2−全と5−全ー2だ。そして結果はやはり逃げ目の3−5−4。枠本線が来てそこそこ浮き。
 
 とりあえずひと競争観て気持ちに余裕ができ、周囲を見回すと、記念だというのにこの寂しさはどうだ。まず、この時間に来ても特観席が買える。しかも余裕で。昔は(特に寒い時期は)開門時から行列ができて、1R前には売り切れていたものだが。特観席を見上げると、買えるどころかガラガラ。半分ぐらいの入りといったところか。以前足繁く来ていた頃に溜まり場にしていたバックスタンド1Fの7A発売所付近に向かう。最近、久々に訪れたレース場に行くと「あの予想屋はまだいるかな?生きてるかな?」と、期待と不安が入り混じった妙なワクワクがあるのだが(実際引退、もしくは鬼籍に入られる予想屋さんがここ数年各場で急増中)、ここ大宮は予想以上にヒドかった。この空間だけで昔はゆうに10台以上あったと記憶する予想台がわずか4・5台。私が敬愛していた「P」の爺さん(当時の場内予想屋コンテストで2位の実績アリ)はとっくに居ず、お客の混み具合も寂しい限り。以前はびっちり人が立っていたスペースには木製テーブル&椅子セットが所狭しと置かれ、そこでなごみつつ談笑しているオジサマたち……病院の待合室か。だいたい500バンクの場はなまじ施設が大きいだけに客が減ると寂しさが際立つ。千葉なんかこの前行った時には3・4コーナースタンドが完全閉鎖されていたもんな(警備員等の人員削減のためか)。「この先は入れません」と張られたロープ…寂しい。寂しすぎる。 

 スタンドにいると気が滅入るので北門脇の食堂へ。そう! 待望のラーメンターイム! 「冬がく〜れば思い出す〜 大宮のラーメン 美味いつゆ♪」と競輪ファンが常々愛唱しているように、ここのラーメンは本当にまいうー。都内の繁華街にあれば行列店間違いなし! のオススメ版なのだ。ハッキリいって有名行列店である「池袋大●軒」(名前はバクチ打ちには縁起良いんだけどね)や「新宿●屋●蔵」なんかより、よっぽどオイシイ正統派醤油ラーメン。早速注文をして待つこと3分。「おまちどおさま!」と出来てきたのはまぎれもなくあのラーメン。琥珀色の汁に沈む黄色の麺、そして具はといえばメンマ、チャーシュー、ネギ、海苔…おや、それだけ? 前はナルトがあったぞ確か。うむむ、これも観客減の余波か(んな大げさな)。ちょっと寂しい気分でハシを割る。汁をずずっと味わうと……うーん、これこれ! このコクと旨みは昔のままですがな! たとえ具は減っていても汁の味は保たれていた。きっと競輪華やかなりし昭和40年代ぐらいから注ぎ足しに注ぎ足しを重ね受け継がれているのだろう。老舗の鰻屋みたいだな。 

 汁まで完食して満腹になり、再びレースに。4Rはまたまた一般戦。細切れ4分戦で、一番逃げそうな先行・3番の番手が一番得点の高い9番。これはいくら大宮とはいえスジの差し目で堅そうな感じ。3連単のオッズをちまちま見るのもメンドくさいので、ここは9からの2車単勝負。9−3を大本線にヒモ荒れもちょっと期待して2着流しを計4点ほど。レースは案の定3が逃げ9が差して2車単860円。

 さて。後の行程を考えるとこのレースを最後にここを出なければならない。たった2レースかよ! いやいや、今日の私には大いなる野望があるのだ。後半レースの岡部芳幸(66期福島)や後閑信一(65期群馬)なぞには目もくれぬ。目的のラーメンは食えたし、2戦2勝で十分ではないか。このまま勝ち逃げだ、とばかりにガラガラの送迎バスに乗り込む。 

 大宮(競輪)から浦和(競馬)まではだいたい40分ぐらいかな? と皮算用していたが、大宮駅までがバスで5分、JR線のホームに降りるとすぐに高崎線の上り電車が来て、浦和までは10分弱。あれ、ずいぶん近いなと思いつつ浦和駅東口に出る。さて無料バスは…と探すと駅前は狭く、バスが入れるような通り・場所ともにない。仕方ないのでタクシーをつかまえる。地図で見た感じではたぶん初乗り料金でいけそうな感じ。運ちゃんに「送迎バスはないんですかね?」と尋ねると「あぁ、あれは南浦和から」とのこと。そうだったのか!失敗した! だいたい私の場合、投票券(車券・舟券・馬券)に関しては平気でブチこむくせに、交通費だとか宿代、メシ代などには妙に敏感なところがある。在宅打ちして万単位で張った後、近所のスーパーへ買い物に行って10円でも安い野菜を探している自分に一瞬不思議な気がすることも確かだが、投票券は買い物じゃなくて債券(しかも超短期)ですからね。買う瞬間には間違いなく増えるもんだと思ってるし(苦笑)。だから、増える可能性のない交通費などはなるべくケチって当たり前。金銭感覚、正常だよな、うん。 

 大宮出発時点では間に合わないと思っていた6Rにギリギリでイケそう。手元のスポ新で出走表を見ると6Rに内田の名前は…ある。よし、予想など不要。とにかく内田の7枠から総流しだ! 印は▲程度なのでそこそこツクだろう。待ってろよ内田。

 6R締切4分前に到着。初めて訪れる浦和競馬場は、何というか…大好きな雰囲気。施設の古び具合も適度で、古き悪しき(笑)賭場の空気が充満。スタンド裏の屋台村も川崎競輪場に似た良い味を出しており、近いうちに一日じっくりと打ってみたい場だ。…おっと、そんな感動に浸っているヒマはない。馬券馬券。入口でもらった出走表を再確認。よし、たしかに7枠に内田…ん、「内田利」ってなんだ? もう一人内田がいるのか!? 地方競馬始めてまだ半年弱とはいえ我ながら不勉強極まりない感じだが、それにしてもどこまで俺をコケにするんだ内田。ええい、こうなりゃ買ってやる。とりあえず内田には違いない(このあたり完全に冷静さを欠いて居る)! んなワケで買いました、▲内田利からの枠総流し7点(当然7−7もネ)。しかし、いぜ手にするとさすがに「ちょっとヤリ過ぎ(いろんな意味で)だったかな…」と思わせるその券面。軽くブルー入ったので、寒いこともありちょっと飲酒。スタンド下のイイ味出してる売店で「燗酒あります?」とお願いすると、オバチャンが「はいよ」と、紙パックごとお燗してある清酒鬼ごろしを紙コップにどぼどぼ。300円で一瞬にして酔う。

  間もなく発走。内田利騎乗の7枠9番マジカルエックスはスタートから終始先行。おお、これはいいぞと酔いのせいもあって過剰にワクワクしていると、直線3頭揉まれながらもまだトップ。よし来た! G前7番に差されたものの2着。枠連なので十分だ。内田で取っちゃったよおい! しかも人気薄なので枠で1640円もついたぞわーい! と、さきほど一瞬のブルーはどこへやら、よし、この勝ち分をそっくり、今度こそ内田博幸に張ってやる! 

 「7R発売開始しました♪」のアナウンスと同時に穴場へ向かう。内田博は4枠4番ユウコウローレル。ちなみに内田利は2枠だ。間違えないようにネ。ユウコウローレルは新聞予想○印。鞍上も鞍上だし、2着までには来るだろう。また枠で総流し! 単枠なのでゾロ目を買わなくていい分お得じゃ〜ん、と、どこまでも都合よく解釈し、2〜4千円づつ7点だ。購入後、オッズを眺めていると、鞍上人気なのか、結局4が一番人気。単勝2.9倍だ。それでも枠複一番人気の4−7以外は一応全て儲かる計算。今日は大宮から3連勝中だし、もう取れない気がしない。余裕しゃくしゃくでスタンドへ。 

 …さて、聡明かつ賢明な読者の皆さんはもうおわかりかと思いますが、事実は小説より奇なり、の結果が待ち受けているわけです。ユウコウローレルはスタートやや失敗し、バック直線ではほぼ中位。最終直線の入りぎわもまだ5番手。最後追い込むものの、前を走る5.マキハタコンプが邪魔でコース開かず3着。連・複・総・流・し・な・の・に 3着。 

 ああ、やっぱりか……やっぱりダメなのか内田。 

 わかった、今後しばらくはお前との相性悪さを納得することにしよう。でも、金を損するのはイヤだ。こうなったらお前の出ているレースは買わない…いやいや、それじゃのレースばっかりになっちゃうな。どうすりゃいいんだ?? これをご覧の、例えばJRAファンで武豊との相性が絶対的に悪い方、はたまたオートレースファンで池田政和高橋貢との相性悪さにお嘆きの方、いったいどうしていますか? ホントに尋ねて回りたい気分だわ。 

 酔った脳ミソで考えた結論は「厄払い馬券を必ず一緒に買う」。つまり、とりあえず内田の複勝を100円買う。そうすればとりあえず俺が買っていることになるので内田は「来ない」。しかも複勝なので「3着にも来ない」。そして他は内田を外して勝負。これだ、これしかない。よっし、次の8Rで実践だ!

 あ、でももう時間がない! 7Rを最後に戸田に向かわねばならないのだ。現在14時。目当てとする戸田9Rの発走は14時35分。かなり急いでもギリギリだ。しかし考えついた策を試さないことには今日の収穫がゼロになってしまう。よし! と、急いで8Rを買いに。内田騎乗の8番(新聞予想○)複勝を100円と、◎印の内田利(ここでもまた内田か!)から枠連で内田博の6枠以外に総流しだ! 払戻しは次回で構わん! 

 今こうして書いていると我ながら頭がおかしくなったとしか思えない状態だが(苦笑)、とにかくそれらを買い、バスに乗り込む。南浦和駅まではものの4・5分で到着。駅の階段を駆け上がり武蔵野線ホームへ急ぐと、運良くその場に電車が。飛び乗って次の武蔵浦和で埼京線に乗り換え。これで戸田公園の駅からタクシー飛ばせば間に合うぞ、とホッとしたところで戸田9Rを検証。なぜこのレースにこだわるかといえば、かの有名な「競艇国宝」加藤峻二大先生(5期・63歳)がお乗りあそばされるから。やはり正月一発目は国宝からいきたい。まぁ初詣みたいなものだ。 

 おみくじの竹が入った筒をガラガラ振るような気持ちで予想する。2号艇の国宝はここまで4走して2・6・3・3着。決して良いとはいえない。このレースの本命は埼玉のスター(というほどでもないか)・5号艇後藤浩。そしてダッシュ戦得意な4号艇秋田健太郎も怖い。うむむ、どうするか…戸田公園までの10分で考えた結論は! …国宝の2・3着(笑) アタマで買えよ! というツッコミが聞こえてくるが、やっぱ初詣だけに確実に取りたいじゃん。4=5−2と4−2−全、5−2−全で勝負だ。 

 戸田公園到着は発走12分前。駅待ちのタクシーに乗り、着いたらすぐ、しかも間違えないようにマークカードを塗らねばと「4−2−全、5−2−全…」とぶつぶつつぶやいていると、運転手がミラーでこちらをちらちらと見る。あぁ、どうせクズですよ、クズですとも。それよりさっさと走れ。ほら、黄信号で止まるんじゃない!行っちまえ! しかしこの手の客には慣れているのだろう。運転手は一番売り場に近い入り口に止めてくれる。ここまでのタクシー代は1050円。一回前の980円で済むかと思い1000円札を取り出していた私。その通りなら「ツリはいらん!」と飛び降りようと思っていたのだが、直前で上がりやがった。たまたま小銭は全くない状態で、2000円で950円の釣りはさすがに「いらん!」とは言えず(笑)。だって900円あれば舟券900円分買えるんだよ。ねぇ。

 お釣りをきちんと、おまけに領収書まで受け取って場内へ。只今発走4分前。そそくさとカードを塗って予想通りに購入。さぁ、あとは水面の国宝を拝むだけ。 

 国宝、道中競り負けて4着。 このハズシ方……内田の怨念か? 

 その後も最終レースまで全くいいところなく、完成か?と思われていた3連単流し理論もあっさり崩壊。寂しく家路についたのでした。 

 帰宅後、冷え切ったカラダを温めるべく風呂に入ろうと脱衣所で脱衣していると、ジーンズの後ろポケットに浦和の馬券が。「おお、まだこれがあった!」と、半裸のまま自室へ。パソコンを開き、ネットで結果を確かめる。 
「浦和8R 2−8−6 複勝8 160円」。   ヘックション! 

 今年も良い年になりますように。

【大宮競輪・要点】
●交通アクセス:JR大宮駅より無料バス10分弱。東武野田線大宮公園駅徒歩5分
●開催:開設記念は毎年1月上旬
●場内:名勝・大宮公園の敷地内とあって、緑豊か。春は場内でお花見も
●飲み食い:東日本のレース場の中でも屈指の充実ぶり。名物のラーメンを筆頭に寿司、うどん、天ぷらなどどれも美味。入場料100円でグルメツアーが楽しめるの感
●私見・感想:久々の大宮だが、昔と変わらず車券は当たるし食い物は美味いしで、やっぱりもっと来ないと。それにしても客が減ったなぁ…

【浦和競馬・要点】
●交通アクセス:JR南浦和駅より無料バス5分
●開催:月〜金の平日開催が月1回
●場内:住宅街のド真ん中にして「賭場!」の雰囲気が充満。近所に家買いたい。
●飲み食い:今回は燗酒(300円)一杯のみ。ビール・サワー類も充実。次回はスタンド裏の屋台村をじっくりと攻めたい
●私見・感想:土ぼこり舞う「地方競馬」の味わい深い場。都心から30分圏内にこんな場所があるとは! 来月開催も絶対行くぞ

【戸田競艇・要点】
●交通アクセス:JR戸田公園駅より無料バス6分。他、JR川口・東武東上線成増・都営地下鉄三田線高島平の各駅からもあり。
●開催:頻繁。SG誘致にも積極的
●場内:全国屈指の巨大かつ美しい施設。場内には散髪屋やマッサージルームまである。キッズルームの豪華さも特筆もので、お子様連れもカムカム
●飲み食い:全体的にファーストフードっぽいが酒は各種揃う。吉野家の「牛丼」がここでは食える(メニューは大盛のみ。ツユだく可)
●私見・感想:元々は平和島ホームだった私だが、最近は戸田が中心。特に寒い季節はガラス張りの一般席(かなり巨大)が何より快適。ターンマークを極端に客席側に振っており、インはS行けなければあっさり負ける。舟券的に魅力なんだよねぇ。見習えよ、住之江。

 

 

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