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2006.10

  還付金は広報宣伝「にこそ」使え! 
 〜「最後のチャンス」を無駄にしないために〜

 ちょっと前にブログで書いた経産省の「交付金還付制度」の件。簡単に言えば、レース場側が集客・活性化のために投じた資金を、一旦納めた交付金の中から還付してくれる(交付金全額の3〜4分の1が上限)という制度だ。これが今のところ今年度から平成22年度までの5年間の時限制度としてスタートする(経産省の制度なので、適用されるのは競輪場・オートレース場)。

 そして、その投資として認められる範囲は以下の4点。

1.本場及び場外車券場の施設の設置及び改修のための投資、並びに本場で用いる装置等の購入及びリースのための投資
2.1の投資のために過去に起債した地方債その他の債務の償還に必要な費用
3.1の投資のための基金の積立に必要な費用。ただし、以下の条件を満たす場合に限る。また、計画に変更が生じた場合には、当該還付は取り消すこととする。
・単年度の実施が困難な大規模な事業であること
・事業の実施により、売り上げの増加等の効果が十分に見込まれること
・事業が確実に行われると認められること
4.上記の他、売上の増加に特に資すると認められる事業に対しての投資

 この制度は全国の青息吐息の施行者さん…以前から「交付金さえもっと安ければなんとか場を維持できるのに」と訴えていた方々には結構な朗報(でも一旦収める額自体は変わらないんだけどね)ではあり、この5年間で各場で念願だった施設改修や客席・場内のハイテク化などが一気に進むだろうと予想される。しかし、私が個人的に最も期待したいのは上記4の項目で、ここに「広報宣伝費」が認められそうなのである。

 施設の改善、客席のハイテク化といった事業はあくまでも既存のお客に対してのもの。そのサービスももちろん重要だが、近い将来の業界にとって何が一番大切かといえば「新規客の獲得」であり、なぜ現在新規客が獲得できていないかといえば
●ギャンブルの世間的イメージが悪い
●広告・宣伝が下手
の2点に集約される。
「人の興味を惹きつけ・世間的イメージを良く(せいぜい他のレジャーと同等に)」するためには、何と言っても「適正な(センスある)」広告宣伝戦略である。そしてそれこそが還付制度の目的である「集客・活性化」にダイレクトに繋がるのだ。

 そこで、今後の具体的宣伝戦略について提言したい。

■TVメディア
1.CM枠に投資するのは現状ではもう無意味。賭け事・レースギャンブル的な表現がメディア側の自主規制により事実上禁じられており、結局レースの面白さや、射幸心を煽って購入に繋げるような宣伝にはなり得ない。
2.CMよりも、バラエティ番組のスポンサーとなり、その番組中でタレント・著名人(もちろんギャンブル好きな)がレース・レース場そのものを楽しむような企画を頻繁に流すべき。
3.更には深夜の時間帯(若い男性層の注目度が高い)に、グラビアアイドルなどを起用(最近では「萌え」系もアリか)した帯番組を持つのが理想。内容は上記2のようなレースバラエティコーナー、直近開催の予想・展望、レースダイジェストなどで、毎日15〜20分ぐらいでどうだろう。

■新聞・雑誌メディア
1.新聞なら従来のレース面、雑誌なら従来の業界・レース系専門誌……この範囲にとどまっていては、いつまでたっても新規客の目に触れることはない。30〜40代の男性が最も手にする一般情報誌などに記事・記事広告を展開してゆくべき。個人的に最もオススメなのは、いわゆるコンビニ売りの男性向け情報誌だ。読者的にもギャンブル・金儲けには最も興味がある層であり、7〜8万から10数万の部数を持つこれら雑誌の宣伝効果は大きく、最も新規客獲得につながるメディアであると思う。
2.更にイメージ的な色濃い戦略だが、一般向けレジャー情報誌・観光ガイドブックなどへのレース場情報の掲載を広げてゆく。一般記事(タダ記事)としては版元側が「ギャンブルゆえに」難色を示すケースも多いだろうが、記事広告(有料記事)なら乗ってくるトコロはあるだろう。
3.『モンキーターン』『ギャンブルレーサー』、そして最近では『オッズ』と続くメジャー漫画誌でのギャンブル系漫画はもっと増やしてゆきたい。なにせ現在の日本は世界一のマンガ読者を持つ国なのだから。マンガといえば最近流行で多くの雑誌で掲載されている「実体験マンガ」(2〜4ページぐらいで、漫画家に何かを実体験させて描かせたようなもの)などでも、レース場をどんどん扱ってもらうよう(これも広告扱いでもいいだろう)働きかけたい。

■インターネット
1.現在『ニフティ』で開催されている「競馬&競艇予想大会」のような企画を大手プロバイダーやサーチエンジン、マスコミ系のサイトなどと提携して常時行いたい。「興味はあるがレース場に行くまでには至らない」という新規客予備軍でも、これなら机上で新聞片手に参加できるし、参加してまがりなりにも予想行為をしてみればレースの面白さ、興味に火がつくことは多いだろう。
2.専門解説者の方々のHP・ブログを続々開設させ、ネット上での予想行為をお願いしたい。現在では競輪解説者・木庭賢也氏が、ご自身のブログで日々予想を書かれているが、これを読むとつい買いたくなってしまう(苦笑)。たぶん「よりプライベートレベルでの真剣予想」という雰囲気を感じ取るからだろう。こういうものがネット上の至るところにあれば、それぞれの解説者にコアなファンがついたり、面白い展開にはなろうかと思う。
3.スポーツ選手として世間にアピールする意味でも、各スター選手のオフィシャルHPを揃えたい。もちろん選手本人が開設するに越したことはないがなかなか難しいだろうから、運営団体側が広告費用の一環として制作を進める。


 …でもまぁ「TV番組を買う」なんていうのは1レース場だけでは無理な範囲で、各場が還付金を持ち寄って広告事業を行うような「広報宣伝組合」を組織する必要が出てくるだろうが、そんな面倒くさいことはやっていられないし、そこでまたヘンな利権めいたものも発生しそうであまりいい予感がしない。インターネットも全国規模でやるには然りだし、現実問題としてTV・ネットは上部団体でどうにかしてもらって。レース場単位で考えるのは、やはり(予算的にも)雑誌メディアを中心にするのが良いと思う。雑誌は「対象層が絞れる」「内容的規制が少ない」という点でも秀でていることだし。

 この他にも今後思いついたものはお伝えしてゆくつもり。とにかく今回の還付金制度は、言ってしまえば各場にとって『最後のチャンス』とも言える。施行の方々には「自場では何に投資すべきか?」をよぉーーーーく考えていただき、せっかくのお金を無駄遣いしないようにお願いしたい。出来たばかりのピカピカのオーロラビジョンを残してレース場廃止(うっっ、笑えないなコレ)…なんてことにならぬよう。


《ちょっと宣伝〜運営団体・各場施行の方々へ》

 そして、私こと「公営競技ライター・沢ともゆき」は、今後「レース場雑誌広告プロデューサー」として、これに一役買いたいと思います。具体的には…
●各情報誌の版元側との記事広告の折衝
●記事の取材撮影、構成、執筆

を一手に引き受けます(もちろん内容の執筆だけでも構いません)。元々雑誌編集者でもあり、公営競技の楽しさ・面白さをセンス良く伝え、新規客獲得につながる記事・ページを作らせていただきますので、よろしくお願いいたします。

お問い合わせはメール [email protected] までお気軽にどうぞ。

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