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 作ってはみたものの… 
〜レース場・場外に客寄せのご提案〜


 昨今のスポーツ新聞を賑わせているのは(五輪関係を除く)、もっぱらプロ野球再編の話題。方々で論じられる「プロ野球衰退の要因」などを読んでいると、公営ギャンブルの現状とダブる部分があまりにも多くて身につまされますな。曰く「経営者の論理のみの運営。ファン不在」「若い層の興味が他(サッカー等)に移っている」などなど。最終的に「若いファン層の育成を怠ったからだ」と言われるに及んでは…公営ギャンブルもまったくそのとおりでございます。 r-monitors.jp

 さすがに今回のプロ野球問題については「このままではマズイ」と感じた識者・評論家・有名人などが各メディアで「プロ野球再建・復興策」などを書いたりしゃべったりされているが、これはもちろん公営競技においても参考になることが多いので、各施行者の方々は細かに目を通していただきたい。まぁ、要旨としては
●施設・アクセスの充実 ●若い客層の拡大 ●興奮と感動を伝える宣伝
の3点に集約されるのは間違いないが、こう大まかに書いただけでも、現在のいろいろな施策の中で、ちょっと見当違いなものはありませんか? 基本に立ち返って考えましょう。 あと、今回の騒動で中心人物というか、ひとり悪者になっているナ○ツネ氏。まぁ、私もあのオッサンは昔から大キライですが、「公営競技界のナベ○ネ」にあたるのは誰? というのも考えましょう。はい、思い当たる人は超沢山いらっしゃいますね。これも周囲・ご本人共々よーく考えよう♪

 なぜこんな説教じみたことを書くかといえば、このお盆に里帰りした北海道で「ダメだこりゃ(故・いかりや長介風に)」と感じたことがあったので。

  今年5月に札幌郊外・石狩市にオープンした競輪の専用場外「サテライト石狩」。実はこちらの経営者だか代表だかの方が私の叔母の知り合いらしく、冬に訪札した際に「今、石狩に競輪の場外を作っている」と聞いた。石狩市というのは、札幌の中心部から車で30〜40分ほど。元はベッドタウンですらなかった農村&漁村で、ここ10数年の札幌周辺の宅地開発と石狩新港の開発により人口が急増。つい数年前に町から市に昇格したところだ。つまり、主な住民層はサラリーマン家庭と港湾関係者と思われる。そして札幌の中心部には函館競輪の札幌場外(札幌サイクルセンター)があり、できる、と聞いた瞬間の印象としても、せいぜい発券機2・3台のミニ場外かと思っていた。それが、オープン時の報道を読むと、かなり立派な建物をブッ建てちゃったらしいじゃないですか。実際行く前から「あんなとこに誰が行くんだ!?」としか思えなかったら、案の定その後の報道では「売り上げ苦戦」とのこと…。

 で、足を運んだのはお盆真っ盛りの8月13日。発売しているのはG3小田原記念の2日目だ。この日、中心部の札幌サイクルセンターではなぜかこの記念の発売をせず。函館の場外なので、本場で発売していないものは売れないのか、はたまた石狩に客を行かせるため調整をしているのだろうか? それも競輪全体として考えればもったいないというか、本末転倒だと思うが。「石狩まで行かなきゃなんないならやめとこう」というお客も多いだろうに。

 札幌市内からひたすら北へ向かう石狩国道を直進。片側3車線の快適な道を走らせると、意外に早くサテライトへ到着。荒地のど真ん中に金網で囲まれた施設は、5〜600台ほどは入る駐車場と、やっぱり予想外に大きな建物。この中に何人の客が…? 同行の嫁もあたりを見回し、不安そうな表情。 

「…すごいところにあるんだねぇ。来るだけで疲れそう」
とむ「ま、ま。着いてしまえばあとは快適に遊べるだろうし」
「あ、バスが一日2本しかない」

 建物前に無料送迎バスの降車場。どれどれ…え、地下鉄終点駅からの便が一日2本だけ!? 自家用車以外の客は全く見込んでないのだろーか。高速のインターはまぁ近いんだし、せめてオープン記念に当初半年ぐらいは周辺都市(小樽・江別・岩見沢あたり)からの直行便なども設定すればいいのに。最初からこれじゃ思いやられるわい。そのうちこの2本だけのバスも赤字を理由になくなりそうな予感。

  場内に入ってみると、さすがにお盆だけあって結構な客の入り。イス席はほぼ埋まっており、後ろで立って観戦している客数もかなり。上を見上げると特観席が。しかし、こちらはかなりの空席。ちなみに席料は特観Aが1500円、Bが2000円。これもいかにも高い。何度も言うけど「札幌の目抜き通りの」札幌サイクルセンターは特観700円ですよ。この値段設定も失敗。当然私も、たとえ一般席が空いてなくたって、1500円特観に入る気はしませんわ。

 ようやく最前列に席を見つけて座ると、大モニターはさすがに見やすく、観戦は快適。2レースほど打った後、さてそろそろメシでも…。レース場グルメを決行しようと大モニター左側の食堂に足を向けると、メシ時だというのに中はガラガラ。メニューを見ると、何の変哲もないそば・うどんやら、どこでもあるような定食のみ。傍らの売店に目を移しても、そこにあるのはおにぎり、タッパに入ったカラアゲ、そしてスナック菓子。…これじゃキヨスク以下だろ、おい(ガラ悪くてスミマセン。ハラがへって気が立っております)。北海道来てんだからさ、せめてウマいラーメンでも食わせてくれよ、と思う私は間違ってますか?

とむ「…なんか食べるか?」
「ううん、いい。帰りにどっかで食べる」

 やっぱりそういう反応。 帰り際、一応記念にと建物の前で記念写真なんぞを撮っていると、なぜか寄ってくる職員らしき方。シャッターを押してくれるというのでお願いすると、撮った後に話しかけてくる。胸には某システム会社の名前が。ここのシステム運営を請け負っているところなのだろう。

職員「どちらからいらっしゃったんですか?」
とむ「はあ、東京から。ここができたと聞いたので、行ってみたいなと思いまして」
職員「それは! ありがとうございます。普段から競輪を?」
とむ「ええ、もうバリバリやります」
職員「いかがでした?」
とむ「場はキレイで申し分ないですけど、食事がもうちょっと良ければと」
職員「はぁ…そうですよねえ…」

 それで会話は終わり。そうですよねぇ、とは言うが、ホントにわかっているのだろーか?? 失礼ながら、わかっている様子には見えなかった。私なりに、ここならこうすれば面白い、というアイデアはあったのだが、説教がましく言っても仕方ないのでやめておいた。運営している本人たち(むしろシステム会社などではなく、経営者の人たちだが)にそのぐらいのアイデアを出して実行に移す感性がないと意味がないのだ。

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 そんな私のアイデアはこう。 まず、札幌なんだからラーメンでしょう。現在でも過当競争といえる札幌のラーメン店業界。全国からの観光客は当然として、地元の人たちだって、美味しいラーメン屋の情報には日々貪欲になっています。『北海道ウォーカー』誌には、毎号一定スペースを割いてラーメン屋情報が。そんな大きな動きと注目度があるものになぜ手を出さないのか? 食堂スペースはラーメンをメインにすべき。別にラーメンが名物じゃない地域のレース場でだってある程度メインメニューなんですよ、ラーメンは。場外に一般人までもが注目するようなラーメン屋を勧誘すればいい。一歩進んで、店を出したいが予算のない若い(若くなくてもいいが)ラーメン職人達に店の権利を貸す。更に何軒かのラーメン屋を競わせてもよい。「勝負の空間である競輪場で、ラーメン職人たちを闘わせる」。メディアも飛びつくだろうし、客寄せとしては最高に面白いと思うが、いかがなもんでしょう。あ、ラーメンじゃなくてもいいぞ。北海道だけに寿司とかでもいいかもしれない。寿司客を小樽(昨今はマズくて高い店ばっかり! 観光地化の弊害だ)にばっかり取られてちゃぁつまらない。

  寿司といえば、札幌の名店である某店(普通に行けばお高い)では、毎月一回だけ、若手寿司職人に握らせる日を設けているのだそう。もちろんその日は価格も下げ、お客が来やすいように。そして、普段は裏方で修行している若手職人が、この日(カウンターで客相手に握れる)を目指して切磋琢磨する。若手職人=修行の励みに、客=高級店の寿司を安価で食せる、店=職人の育成と新規客の開拓、という、まさに一石四鳥、誰もが得をするという素晴らしいアイデアだと思うが、施設を持っている場外さん、この方法論もマネしてみる価値はあるんじゃないでしょうか。

 今回のサテライト石狩に対するアイデアとしての本件は、総体的に「レース場のアミューズメント化」につながるもので、飲食ということだけでもかなりのことができる、ということ。宇都宮競輪場なら場内に餃子ミュージアムを設置すればいいし、丸亀競艇場ならうどんミュージアムだ。そんな形態が全国レース場に出現すれば、やがて一般市民にも「レース場=グルメスポット」というイメージが定着してゆくだろう。これは大きな集客効果だ。名物がない地域の場だって、街中レベルより美味しい食堂・飲み屋を誘致すれば、それだけで周辺住民の興味をそそることはできる。飲み屋系なら昼間レース終了後も、そのまま場内を開放して市民の憩い(飲み)の場にすればよい。施行者さんのかねてからの念願である「レース場を市民の場として認知してもらいたい」なんつーのは、こんなことで意外と簡単にできると思いますが。

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